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昭和新山
【しょうわしんざん】


胆振(いぶり)地方壮瞥(そうべつ)町にある山。標高407m。洞爺湖南岸に位置する有珠山東麓の寄生火山で,支笏洞爺国立公園の特別保護地域に属する国特別天然記念物(昭和32年指定)。昭和18年12月から有珠山周辺一帯に強い地震が続き,翌19年6月にはフカバ集落の通称九万坪と呼ばれる平坦な畑地が最大50m隆起し,地割れから噴火が始まった。10月末までに,爆発は顕著なものだけで10回を超え,この間7個の火口が開き,標高150mの畑地は,径1km・標高300mの饅頭形の平頂な屋根山になった。爆発が止まって,11月中旬屋根山の山頂に赤黒い溶岩丘が出現し,昭和20年9月には標高407m,基底径約300mの溶岩円頂丘が誕生した。溶岩丘がせり出した際,山腹の土壌は焼けてれんが状の石となり,溶岩丘にも多くの擦痕が生じた。その生成過程は当時山麓の壮瞥郵便局長であった三松正夫により観測され,三松ダイヤグラムに詳細に記録された。現在も溶岩丘西側のサンゴ岩付近から白煙を上げる。西麓には道立森林資料館・火山博物館などがある。毎年8月の第1土・日曜日には,爆発再現花火大会を中心に昭和新山火まつりが行われ,全国からの観光客でにぎわう。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004045