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渚滑川
【しょこつがわ】


網走地方滝上町,紋別市を流れる1級河川。渚滑川水系の本流。流路延長84km,流域面積1,240km(^2)。北見山地の最高峰天塩岳(1,557.6m)に発し,はじめ東北流して滝上原野を通り,滝上町市街地付近から東に向きを変え,紋別市渚滑町でオホーツク海に注ぐ。支流にサクルー川・モセカルシュナイ川・オシラネップ川・和訓辺川・立牛川・ウッツ川などがある。立牛川は立牛岳(630m)の西方に広い河谷をつくり,丸立川・上古丹川などを合わせる。流域の地質は,基盤の大部分が先第三紀,先日高系の日高累層群からなる粘板岩,その上に第三紀の上支湧別層の砂岩・礫岩層や砂岩・泥岩互層がのる。流域は河岸段丘の発達が著しく,特に上流の滝上原野には3段の砂礫段丘が発達し,中位・下位の段丘は中・下流にも連続する。河口付近には河道の変遷があり,東側に旧河道がある。河口には広い三角州があり,現河道は海岸線に並行して流れたのちオホーツク海に注ぎ,海岸付近にはオムサロ原生花園がある。河口右岸には縄文早期・続縄文時代・擦文時代の土器を出土するチカプノツ遺跡があり,対岸には縄文・続縄文・擦文各時代の土器を出土するオムサロ遺跡がある。渚滑川沿いに国道273号が紋別と上川・旭川方面をつなぐ。流域の滝上原野は畑作地帯として馬鈴薯・ハッカ・ビートなどが栽培され,滝上町には約200haのハッカ畑があり,日本一の生産量を示す。酪農のほか,木材の伐採と製材業が盛んで,製材・家具建具・日用品などの木工製品出荷額の占める割合が高い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004063