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尻別川
【しりべつがわ】


後志(しりべし)地方を流れる1級河川。尻別川水系の本流。流路延長125.7km,流域面積1,631.7km(^2)。胆振(いぶり)地方大滝村と札幌市南区,千歳市との境界山地に水源を有し,羊蹄(ようてい)山北麓を迂回して喜茂別(きもべつ)町・京極町・倶知安(くつちやん)町と流れ,ニセコアンヌプリの南山麓を西にニセコ町・蘭越町を経て,寿都(すつつ)町尻別岬で日本海へ注ぐ。大小283本の支流をもつ,北海道南西半島部では最大の河川。川名の語源は,「北海道蝦夷語地名解」は「シリペッ・至高川……其ノ水源ハ高処ヨリ来ル故」とし,「北海道の地名」は山の川の意か,とする。尻別川は羊蹄火山群の中を縫うように流れるため,山体の接近する所では狭隘になり,その上流部に盆地が開ける。沖積面と火山灰土壌に覆われた傾斜地の農業は畑作が中心で,馬鈴薯の作付けはその約3分の1を占め,澱粉原料用の生産も多い。近年はサツマイモ澱粉や輸入糖との競合が激しく作付面積は減少する傾向にある。アスパラガスの生産は喜茂別町や留寿都(るすつ)村に多い。下流の蘭越町一帯は後志地方の代表的な水田地帯で水田化率は70%を超える。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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