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尻別岳
【しりべつだけ】


後志(しりべし)地方喜茂別町・真狩(まつかり)村・留寿都(るすつ)村の境界にある山。標高1,107m。尾根続きの橇負(そりおい)山(715m)や西側の軍人山(561.8m)などとともに,第四紀更新世初期に噴出した安山岩質の溶岩からなる火山。尻別岳はその後の削剥作用を受けて残った残丘でトロイデ型をなすが,北東方向からは富士山に似た形に見える。松浦武四郎の「丁巳日誌」には「ヒン子シリ……土人等此山をさしてシリベツ岳と云」と記される。ピンネシリは男山の意で,北西にある羊蹄(ようてい)山(1,893.0m)はマツネシリ(女山の意)と称した。陸地測量部20万分の1図(明治25年前後)では後別(しりべつ)山と記名される。東山麓を国道230号が走り,札幌と洞爺を結ぶ重要な観光ルートとなる。橇負山に昭和47年にルスツ高原スキー場が開設され,留寿都村の重要な観光資源となった。山麓一帯はジャガイモ・アスパラガスの畑作地帯で,南麓の泉川地区には,明治38年幸徳秋水・堺利彦ら平民社の後援で平民社農場が開園したが,わずか3年で廃園となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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