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新嵐山
【しんあらしやま】


十勝地方芽室町にある山。標高339.5m。美生(びせい)川中流の左岸近くに位置する。南東方向に「く」の字の高まりをもつ,5つの峰が連なる丘陵性山地の総称。南と北の2つのブロックに分かれる。明治の開拓期には南側を丸山,北側を雨山ともいい(芽室町史),南側の丸山を地元では饅頭山と呼ぶこともある。山容は,全体に丸みを帯びてなだらかだが,西側は急傾斜をなす。周囲は日高山脈東麓に張り出した開析扇状地の扇頂付近の段丘域で,山体は日高山脈の基底をなす日高層群,先白亜系の砂岩・泥岩類からなり,東に低下する山脈の山脚部の突端が扇状地形成の際埋め残されたもの。低平な台地と河畔にあるこの山は,春のツツジ,秋の紅葉で親しまれ,大正12年十勝鉄道が南西の上美生まで開通したとき,沿線の景勝地に選ばれ,雨山は嵐山と改称された。昭和44年,山域を観光開発するスカイパーク構想が具体化し,丸山を含め現名に改称した。東斜面北半は,大正4年馬の共同放牧場が開かれ,昭和37年に町営畜牛放牧場となったが,一部に昭和38年ゴルフ場が開設された。また南半の斜面には,昭和46年新嵐山スキー場が開設され,帯広市から最も近いスキー場としてにぎわう。ハイキングコース,頂上の展望台,美生川のキャンプ場も設けられ,山域一帯が公園化している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004221