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常呂川
【ところがわ】


網走地方を流れる1級河川。常呂川水系の本流。流路延長120km,流域面積1,930km(^2)。石狩山地の三国山(1,541.4m)に源を発し,東流して仁居常呂川・シイトコロ川・訓子府(くんねつぷ)川・無加川・仁頃川などの支流を合わせ,常呂町の能取湖西方でオホーツク海に注ぐ。オホーツク海斜面最大の河川で,本流は,上流から置戸(おけと)町・訓子府町・北見市・端野(たんの)町・常呂町を流下する。三国山周辺には新第三紀中新世の幌加内層があり,置戸町付近には鮮新世の砂岩・礫岩・泥岩やそれらを切る安山岩などが分布する。訓子府・北見方面では先白亜紀日高景層群が広く分布し,古第三紀陸別層や新第三紀中新世の硬質頁岩・シルト岩・砂岩も分布する。北見市南部ではこれらの地層が北東から南西,北から南方向などの断層によって切られ,複雑な構造を示す。下流部では新第三紀中新世の能取層・常呂層などが分布する。河岸には河成段丘の発達が著しく,上・中・下の3段の段丘面に分類できる。上流の石狩山地は原生林が繁茂し,留辺蘂(るべしべ)・置戸方面は製材工場が多く,両町とも林業が基幹産業で,留辺蘂町では台所セットなどの製造,置戸町では製材・合成用材・チップ製造のほか乳牛・肉牛の酪農も盛んである。北見盆地では水稲・小麦・玉葱・甜菜などがつくられ,大正年間にはハッカの世界的な生産地として知られた。川沿いには池北線が通り,十勝地方池田町と北見市を結ぶ。支流の無加川沿いには国道39号が走り,武華山トンネルを経て北見と上川・帯広方面と連絡する。置戸町には鹿ノ湯と昭和58年完成の鹿の子ダム,留辺蘂町には温根湯温泉がある。無加川流域のイトムカ鉱山は東洋一の水銀鉱山として知られたが,昭和48年閉山。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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