100辞書・辞典一括検索

JLogos

17

中頓別鍾乳洞
【なかとんべつしょうにゅうどう】


宗谷地方中頓別町市街地の北東,旭台地区にある洞穴。北海道天然記念物。昭和38年指定。頓別川の支流,尻無川と平賀内川の上流部に位置する。新生代第三紀の貝殻化石が化石礁状に密集した,いわゆる貝殻石灰層からなる最も新しい洞穴で,昭和8年に発見され4つの洞に分かれる。第1洞は主洞約60mと各90mの2つの枝洞からなる。主洞は幅2~7m,高さは入り口で3m,最高7mで,下床には小さな池がいくつかある。鍾乳石や石筍はあるが,あまり大きなものはない。第2洞は詳細が不明。第3洞は長さ約15mで,第4洞は45m,屈曲し,一部に枝洞があって鍾乳石の発達もよい。当初水による貝殻溶解があり,その後空洞が広がるに従って,石灰を多く含んだ溶液によって溶食地形が形成されたと思われる。この貝殻石灰は10~20°の緩傾斜をもち,厚さは15~30m,鉱量は1,000万tと推定される。付近には旭丘鉱山などがあり,土壌改良剤,飼料原料用にこの石灰を露天採掘している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7006028