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新冠泥火山
【にいかっぷでいかざん】


日高地方新冠町字高江にある山。新冠駅の北北西約1.6kmに位置する。比高は最大30m,長径最大200mで,大小合わせて8つある。台状または楯状の火山で,頂上にカルデラ型の陥没がみられる。泥火山は一般に,粘土が地下水や温泉水とともに地表に噴き出して,火山に類似した堆積地形や陥没地形を生じたもので,油田地域や噴気地域に多くみられる。形成期は沖積世と推定され,最南端にある第8丘は,昭和27年3月4日の十勝沖大地震の際に粘土が地下水とともに噴出して形成され,日高新山とも呼ばれる。付近の地形は,海岸段丘内で海岸線と平行する節婦断層と断層浸食谷からなり,泥火山はこの谷底にある。「新冠町史」によると,この新山形成当時,周辺は畑地で,最初地表に約6mの隆起が起こり,畑地約1.5haに亀裂が走った。昭和43年に北海道天然記念物に指定され,近くの判官館とともに町の観光地の1つとなる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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