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西ヌプカウシヌプリ
【にしぬぷかうしぬぷり】


十勝地方鹿追町北部にある山。標高1,256m。然別(しかりべつ)火山群東部,然別湖の湖口付近に位置する。東隣の東ヌプカウシヌプリとともに,第四紀初頭に形成された然別湖のカルデラ壁に,更新世末期から沖積世初めに安山岩質溶岩が噴出してできた溶岩円頂丘。山頂部は2つのこぶをもち,南側に緩やかな火山山麓が広がり,広大な十勝平野の扇状地につながる。湖南岸には白雲山・天望山がある。山名はアイヌ語で「野の上にいる山」の意という(北海道の地名・北海道地名誌)。明治初期に山火事があり,以後東の山とともに坊主山と呼ばれたが,現在は夫婦山とも呼ばれ「十勝音頭」にも歌われる(鹿追町史)。アイヌ伝説に,幌尻岳と阿寒の山の夫婦が喧嘩し,幌尻岳が怒って飛ばした槍が仲裁に入ったこの山の耳に当たり,落ち砕けた。これが山腹に散らばる岩片という話が残る(音更町史・鹿追町史)。北麓には明治初期に発見された山田温泉があり,南斜面は自衛隊然別演習場になる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7006331