100辞書・辞典一括検索

JLogos

13

西別川
【にしべつがわ】


釧路地方標茶(しべちや)町と根室地方別海町を流れる2級河川。流路延長77.5km,流域面積449.6km(^2)。摩周湖南東の西別岳山麓の標高約250m付近から湧出する伏流水を集め,ポンベツ川・シカルンナイ川・ヤリシナイ川・ポンオンネベツ川・オンネベツ川などの支流を合わせ,ほぼ東流して風蓮湖北方の本別海で根室海峡に注ぐ。源流部は標茶町に属するが,大部分は別海町を流れる。古くからサケの溯上する河川として知られ,天明5年塩切鮭にして江戸にはじめて送られ,寛政12年将軍に献上され,以後毎年の献上が命じられたという(別海町百年史)。明治初期から保護策がとられ,明治18年に20万尾を放流したという。明治23年根室漁業組合が水源に近い釧路国川上郡虹別村字シュンクシベツに西別サケ人工孵化場を開設,現在は水産庁北海道さけ・ます孵化場虹別事業場となっている。安政5年松浦武四郎は,西別岳からこの川の水源に下った(久摺日誌)。下流の西別原野は,別海町で最も早く区画開放され(明治31・32年),川沿いに入植が行われていった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7006354