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ニセコアンヌプリ
【にせこあんぬぷり】


後志(しりべし)地方ニセコ町と倶知安(くつちやん)町の境界にある山。標高1,308.5m。ニセコ積丹小樽海岸国定公園に属する,ニセコアンヌプリ火山群の主峰。東には尻別川を挟んで羊蹄(ようてい)山がある。ニセコアンヌプリ火山群の基底をつくる火山砕屑が噴出した後,洪積世中期に形成されたイワオヌプリ成層火山の,火口ないしカルデラ周縁の南東から噴出したもので,チセヌプリ(1,134.5m)と同時期に形成された。標高700~800mまでは舞台状溶岩により平坦な台地状の地形がつくられ,末端部は急傾斜をなす。山頂部はこの溶岩の上に両輝石安山岩のニセコアンヌプリ溶岩が載ったもの。山名は,西麓を流れる尻別川の支流ニセコアンベツ川に由来し,アイヌ語のニセイコアンペッにより,断崖に向かっている川の意という(北海道の地名)。上部山腹はハイマツ帯,その上はササと高山植物帯となる。北西季節風の影響で道内有数の多雪地帯。古くから絶好のスキー場となり,南東斜面にニセコヒラフ国際スキー場,南斜面にニセコモイワスキー場・ニセコアンヌプリスキー場・東山スキー場があり,東洋のサンモリッツとも呼ばれ,南東麓に山田温泉がある。山頂には第2次大戦中,北海道大学の中谷宇吉郎による飛行機の着氷実験などを行った観測所跡があり,記念碑が建つ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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