糠平川
【ぬかびらがわ】

十勝地方上士幌町を流れる１級河川。十勝川水系音更(おとふけ)川の支流。流路延長7.7km，流域面積19.1km(^2)。石狩山地南部，然別火山群西部のウペペサンケ山の南東斜面に水源を発し，東流して人造湖糠平湖に注ぐ。中流は渓谷で，河口付近では右岸に支流の八千代川が合流し，糠平温泉の市街がある。音更川の支流であったこの川は，昭和30年合流部に糠平ダムが建設されたため，右岸の支流不二川の合流点を含む下流約2.4kmが水没した。音更川左岸のダムサイトにかつて国鉄士幌線が通り，糠平駅があった。ダム建設時，士幌線は糠平温泉街すぐ東で糠平川を跨ぎ，延長１万4,596mの迂回線路に付け替えられ，駅も温泉街に近い位置に移された。流域は大雪山国立公園内にあり，十勝地方の温泉・保養地・観光地として脚光を浴びている。支流八千代川左岸側に糠平スキー場がある。同音異字の河川に，日高地方沙流川左岸の支流額平川がある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7006488