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函館山
【はこだてやま】


臥牛(がぎゆう)山ともいう。函館市南西部にある山。標高334m,面積約4km(^2)。函館湾を抱くような格好で海中に突き出す。新第三紀中新世の寒川火山噴出物層を基盤とし,鮮新世に噴出した溶岩からなる。海面の変動に伴い海岸段丘が形成され,砂州の発達により陸繋島となった。明治31年から第2次大戦終了まで要塞であったが,戦後は市民の身近な観光地として登山やハイキングに利用され,年間250万~300万人の観光客でにぎわう。山頂からは津軽海峡を隔てて下北半島・津軽半島から岩木山まで遠望できる。特に市街地と港を一望におさめる夜景は美しく,世界三大夜景の1つといわれる。この山は周囲わずか9.5kmの小さい山であるが,植物の種類が豊富で,シダ植物以上の高等植物が640余種報告され,ダケカンバ・ミズナラ・シナノキ・エンレイソウなどが知られる。文久元年に函館を訪れたイギリス人ブラキストンはこの山で,津軽海峡が動物分布上の境界線をなすことを発見し,これをブラキストン線と命名した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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