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光苔洞窟
【ひかりごけどうくつ】


知床半島東部,根室地方羅臼町共栄地区にある洞窟。羅臼市街地から1.5km北に位置する。かつては共栄地区がマッカウスと呼ばれたため,マッカウス洞窟とも称した。洞窟は奥行20m,幅18m,高さが最大で5mあり,広さは420m(^2)前後。洞内には位置によって偏光して淡い緑色を呈するシダ類のヒカリゴケが自生することからこの名がある。このコケは昭和10年に発見されたが,道内では群生地は少なく,昭和38年に北海道天然記念物に指定された。安政5年松浦武四郎は知床半島への踏査の途次,この洞内で野宿し,「仮寝する窟におうる岩小菅,ふきし菖蒲とみてはこそねめ」(知床日誌)の歌を残した。この洞窟が世に知られるきっかけは,昭和19年に発生した知床半島における遭難船長を題材とした,武田泰淳の小説「ひかりごけ」によるところも大きい。知床横断道路の開通により,羅臼側の観光名所の1つにもなった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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