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日高耶馬渓
【ひだかやばけい】


日高地方様似(さまに)町冬島地区から幌満川河口までの約6kmの海岸。日高山脈襟裳国定公園のうち。日高変成帯をなすホルンフェルスや片麻岩などの変成岩から成る。海岸中央部のイワオイ(岩負)鼻の突出部をはじめ,穴岩・鵜の鳥岩など奇岩も多く,景勝に優れることから大分県の耶馬渓にちなんで名づけられた。数十mに及ぶ海食崖が連続し,チコシキル・テレケウシと呼ばれた険阻もあり,様似~襟裳(えりも)岬間最大の難所とされ,寛政11年に幕府により山沿いに様似山道が開削された。海食崖下を通る道路は明治24年から開削され,大正11年に竣功。昭和2年には拡幅・修築がなされ,現在は国道336号となっている。急崖の背後には高山植物の群落で知られるアポイ岳(810.6m)があり,東岸の幌満川の下流部には変成岩による峡谷の幌満峡がある。同所は太平洋岸におけるゴヨウマツ自生地の北限で,昭和18年に国天然記念物に指定された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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