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琵琶瀬湾
【びわせわん】


釧路地方浜中町にある小湾。太平洋に面して北は霧多布(きりたつぷ)半島,南は嶮暮帰(けんぼつき)島に囲まれ,中生代の砂岩や礫岩からなる部分が岬や島になり,隆起性海岸形成後に沈降したことを示す。湾口部は1.6kmでほぼ東に向き,その中央部に小島(高さ39m)がある。「水路誌」によれば,霧多布半島の南側から距岸1km以内は暗礁や顕礁が多く,航行は危険とされる。湾奥の北部には霧多布の市街地があり,水路が浜中湾に通じる。かつては湾奥の弧状の砂丘上に集落が列村状に分布したが,次第に漁港地区に集中する傾向にある。「東行漫筆」によれば,文化元年にはビハセには番人1人のほか,アイヌ20人が詰めて,チカ,ニシン,タラ,コンブなどをとったという。昭和10年まではほかに,ホッキ貝・塩虫・銀杏草などの湾内漁業が盛んで,現在はコンブ・ワカメの養殖施設がある。湾奥の砂丘内側にはこの湾に注ぐ泥川・新川により形成された広大な湿地帯があり,大正11年に国天然記念物に指定された霧多布泥炭地形成植物群落がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7007363