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フップシ岳
【ふっぷしだけ】


十勝地方足寄(あしよろ)町と釧路地方阿寒町の境界にある山。標高1,225.5m。阿寒国立公園内にあり,阿寒湖南西に位置する。「阿寒町史」によれば,山名はアイヌ語で,トドマツが群生する山の意とされる。安政5年,松浦武四郎は阿寒湖畔から美幌方面に越える際に,釧北峠付近から展望して「ヌウシノボリと云高山の頂き一ツ見ゆ。此温泉の水源なるよし」と記した(戊午日誌)。阿寒カルデラ生成後,カルデラ西壁近くに噴出した円錐状の成層火山で,この後,東に雄阿寒岳,南に雌阿寒岳が形成された。頂上部はかなり浸食され,明瞭な火口をとどめない。山麓には火山砕屑流堆積物からなる緩斜面が広がり,東西の山麓には小寄生火山がある。山体の大部分はトドマツの原生林に覆われ,湖上からの景観は美しい。北麓の原生林中を走る国道240号・同241号は観光路線として人気が高い。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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