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堀川
【ほりかわ】


函館市にあった河川。函館山と渡島(おしま)半島をつなぐ砂州地域は水利が悪く,地蔵町の一部を除いて,市街地はほとんどなかった。安政6年この地に,浄土真宗本願寺派願乗寺(現在の西別院)の堀川乗経が,本山および官の許可を得て新渠を開削した。溝渠延長1,580間,総費用7,300余両といわれ,本山や檀徒が負担した。この河川は,五稜郭西方で亀田川から水を引き,中の橋・地蔵町を経て,永国橋で函館港内に流出するもので,堀川乗経の名にちなんで堀川とも,寺名にちなんで願乗寺川とも称した。この開削によって砂州地帯は水利を得て市街発展の端緒となり河川の東西に東川町・西川町が形成された。しかし,砂泥が函館港に流れ込み,港底を埋めるという欠点があり,明治21年外海の大森浜に流出する新川が開削され,堀川は自然廃川となり,同22年までにほとんど埋め立てられた。明治19年に発生したコレラが堀川の水を使用する地域に多かったことも廃川に影響を与えた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7007887