100辞書・辞典一括検索

JLogos

4

幌尻岳
【ぽろしりだけ】


「ほろしりだけ」ともいう。日高地方平取(びらとり)町と新冠(にいかつぷ)町の境界にある山。標高2,052.4m。日高山脈の最高峰で,北に戸蔦別(とつたべつ)岳,南東に新冠川を隔ててエサオマントッタベツ岳がある。日高山脈襟裳国定公園のうち。松浦武四郎の「東蝦夷日誌」では,新冠川の源流を「ポロシリ岳と云,峨々たる高山,実に神仙の域境なりと。堅雪の時上るに,七日にて到此と」と記す。山体の西半分は日高累層群と呼ばれる堆積岩類,山稜を含む東側は変成岩および深成岩類からなる。氷河期には,この地域にも小規模な氷河が発達し,カールが形成された。山頂直下北側の北カール,北東方の戸蔦別岳を結ぶ山稜東側の七つ沼カールは,山脈中で最も著名。山腹には針葉樹林が発達するが,カール底付近はダケカンバ帯となり,稜線にはハイマツが生育する。山頂の南直下,新冠川最上流部には北海道電力奥新冠ダム(総貯水量666万5,000m(^3))があり,当山はまた額平(ぬかびら)川の水源でもある。同名の山は帯広市と十勝地方中札内村の境界にあり,十勝幌尻岳(1,846m)と呼ばれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7007918