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本別川
【ほんべつがわ】


十勝地方本別町を流れる1級河川。十勝川水系利別川の支流。流路延長22.0km,流域面積61.3km(^2)。白糠丘陵のウコタキヌプリ山に水源を発し,丘陵西部を南西流し,本別町市街南で利別川に注ぐ。全体に谷底平野に乏しく,中流から上流への移行地は,幽仙峡と呼ばれる峡谷になる。明治中頃から流域にオニグルミ・ドロノキなどの伐採や,鹿狩りのため,出入りする人があったが,明治37年利別川との合流点にマッチ軸木工場が操業し,大正6年からは王子製紙・富士製紙のパルプ原木の需要で木材の伐採が盛んになり,谷底の本別沢にもこの頃から開拓者が入った。付近の谷壁は第三紀鮮新世の砂岩・泥岩類からなり,地滑りを起こしやすく,明治40年局地的な豪雨で大崩壊が発生し,16戸36棟が被災(本別町史)。その後も崩壊が起こり,地滑り危険区域となっている。谷の出口も本別山峡と呼ばれる峡谷で,道内各地に残る義経伝説地の1つとして知られる義経山(源氏山ともいう),義経山神社と弁慶洞があり,昭和4年十勝史蹟名所に選ばれた。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7008130