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増毛山地
【ましけさんち】


樺戸山地ともいう。北海道西部の山地。石狩地方浜益村,空知地方新十津川町・雨竜町・北竜町,留萌(るもい)地方増毛町と留萌市にまたがる。暑寒別(しよかんべつ)道立自然公園に属する。東と南は石狩平野,西は日本海に臨み,北は留萌川で天塩山地と境する。南部には先白亜系が分布するが,東半部は大部分が新第三系からなる標高300~500mの丘陵性山地で,北西部ではこれらを基盤として暑寒別岳(1,491m)・南暑寒別岳(1,296m)・群別岳(1,376m)・浜益岳(1,258m)・雄冬(おふゆ)山(1,198m)など,標高1,000mを超える開析火山が載る暑寒別火山群を形成する。暑寒別火山群は雄冬群と暑寒別群に分かれるが,いずれも活動停止後長い期間を経ていて山体は著しく浸食され原形をとどめない。山地の南端には神居尻(かむいしり)山(947m)・ピンネシリ山(1,117m)・隈根尻(くまねしり)山(971m)の樺戸三山があり,いずれも粘板岩の残丘とされる。南暑寒別岳の東の溶岩台地には雨竜沼湿原があり,大小百数十の池塘が点在し,周辺にはミズバショウ・エゾリュウキンカ・ワタスゲなどの湿原植物が大群落をなし,尾瀬と並ぶ高層湿原をなす。日本海岸は100m前後の高さを持つ海食崖が連なる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7008236