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無意根山
【むいねやま】


「むいねざん」とも呼ぶ。札幌市南区と後志(しりべし)地方京極町の境界にある山。標高1,460.5m。支笏洞爺国立公園の北西端に位置する。尾根続きの長尾山(1,214m)・中岳(1,387.8m)を含めて無意根連峰といい,いずれも後志火山性台地に属する火山で,新第三紀の基盤の上を,第四紀更新世に噴出した安山岩質の溶岩流が覆ったもの。山頂付近は平坦な台地状のフラットラヴァとなる。山名はアイヌ語のムイネシにより,箕のような山の意。東麓面は豊平川支流の薄別川・白水川・小川が開析する。薄別川沿いを走る国道230号に無意根大橋があり,自然景観に調和する美しい姿は山岳橋梁の代表作といわれる。この東側には豊平峡ダムによる定山湖があり,札幌市民のハイキングコースとなる。山麓一帯はエゾマツ・トドマツ・ダケカンバなどの針広混交林植生が卓越し,山腹上部には大蛇ケ原(おろちがはら)と呼ばれる湿性草原があり,ワタスゲ・ミズバショウ・ハクサンボウフウ・ミヤマキンバイなどの高山植物が分布する。登山コースは北側にある豊羽元山の登山口からと,薄別川の支流小川沿いのコースがあり,途中標高1,020m付近に無意根尻小屋がある。古くからスキーツアーのコースとして知られる。




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「角川日本地名大辞典」
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