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門別川
【もんべつがわ】


日高門別川ともいう。日高地方門別町を流れる2級河川。流路延長18.1km,流域面積55.8km(^2)。日高沿岸西部の丘陵および海岸段丘からなる台地を南西に流れ,太平洋に注ぐ。上・中流は夕張山地の南に続く丘陵山地内を流れ,中・下流が3段に分かれる海岸段丘を開析し,次第に谷幅と谷底を広げる。中流左岸に3段の河岸段丘が発達する。河口に門別町市街があり,西方に日高地方最長の沙流川が流れる。門別川河口左岸には,文化2年沙流川河口にあったサル場所が移され,日高地方西部の中心になった。また,日高・十勝両国の玄関口でもあったため,幕末までに最上徳内(天明6年・享和元年)・近藤重蔵(寛政11年,享和元年など数回)・遠山景晋(寛政11年)・伊能忠敬(寛政12年)・松浦武四郎(弘化2年,安政3・5年)などが蝦夷地巡検の際,立ち寄り,松浦は上流まで探査した(初航蝦夷日誌・蝦夷探検見聞記・東蝦夷日誌)。流域の開拓は明治2年に始まり,上流域への入植は,明治20年頃から行われた。明治35年の沙流産牛馬組合の結成,大正元年の日高地方最初の門別用水土功組合の設立が今日の馬産・酪農・稲作地帯としての基礎をなした(門別町史)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7009097