100辞書・辞典一括検索

JLogos

14

湧別川
【ゆうべつがわ】


網走地方を流れる1級河川。湧別川水系の本流。流路延長84km,流域面積1,480km(^2)。北見山地の天狗岳(1,553m)を発して北流する川とチトカニウシ山(1,446m)に発し南流する川とが白滝村奥白滝付近で合流し,湧別川となり東流する。白滝村本村で支湧別川を合流し,丸瀬布(まるせつぷ)町で丸瀬布川や武利川を合わせ,遠軽(えんがる)町で瀬戸瀬川・サナブチ川・生田原川,上湧別町で富美川を合わせ,湧別町でオホーツク海に注ぐ。支流のサナブチ川は若松川・朝日の沢川・白滝川・伯谷川などを合流する比較的大きな川で,中流には社名淵原野が広がる。湧別川流域は以前にはハッカの生産で知られたが,現在は水稲・馬鈴薯・豆などの産地となり,山地では木材の伐採が行われる。上湧別は屯田兵村の置かれた所で,下流右岸にはサロマ湖,湖岸には原生花園がある。下流左岸にはシブノツナイ湖がある。下流部には広く三角州性低地が広がり,後背湿地や泥炭地も多い。下流部には橋長384mの湧別大橋があり,湧別町と紋別市とを連絡する。上流の白滝には旧石器を産する白滝遺跡がある。上流部の地質は白亜系の日高層群からなり,中流部では日高層群および軽石流堆積物など,下流部は主に先第三系の湧別層群が分布し,これを玄武岩や流紋岩が貫いて段丘地形の発達も著しい。流路に沿って国道の242号・333号,名寄本線・石北本線が通る。流域には白滝温泉,丸瀬布温泉,瀬戸瀬温泉などがある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7009314