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雷電山
【らいでんやま】


「らいでんざん」とも読む。後志(しりべし)地方岩内町と蘭越町の境界にある山。標高1,211.7m。ニセコ積丹小樽海岸国定公園に属し,岩内岳(1,085.7m)・目国内(めくんない)岳(1,202.6m)・前目国内岳(980.8m)などと雷電火山群をなし,いずれも死火山と考えられる。洪積世の安山岩質からなり,多量の火山砕屑物を噴出した後,数層の溶岩流を流出して形成された。この火山群はほぼ東西に並び,火山活動は西から東へ移動した模様。山体は尻別川の支流や幌別川などが開析する。頂上の西方約4kmの鞍部には雷電峠(580m)がある。安政3年イワナイ場所請負人仙北屋仁左衛門とイソヤ場所請負人桝屋学五郎が両領の往来のため開削した雷電越え山道で,北海三嶮の1つとされる難所であった。明治3年,東本願寺法主現如上人大谷光瑩の一行の峠越えの様子が「雷電越えの危難」と題した錦絵に残る。昭和38年,海岸に9か所のトンネルが掘られ,磯谷~岩内間の国道229号が開通して長年の不便は解消された。雷電峠から約1km北へ下った標高320mの所には,山道開削の時に朝日温泉が発見され,旅館が1軒ある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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