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利尻山
【りしりざん】


利尻岳ともいう。宗谷地方の利尻町と東利尻町の境界にある山。北海道北部の日本海に浮かぶ利尻島を構成する。標高1,718.7m。利尻礼文サロベツ国立公園のうち。第三紀の堆積岩や火山岩を基盤として第四紀沖積世に噴出した成層火山であるが,活動を早く停止したために,頂上部の開析が急速に進んで火口跡などはなく,その山容から利尻富士とも呼ばれる。複数の溶岩塔が浸食されて集合した,との説もある。山麓には鬼脇ポン山・仙法志ポン山・神居ポン山などの寄生火山がある。山体を構成する鉱物から,那須火山帯・鳥海火山帯とは別個の系統の火山と考えられる。山全体はかなり浸食を受け,深い谷が切れ込み涸川となっている。標高1,000m以上には随所にお花畑がある。西斜面にはエゾコザクラ・ボタンキンバイ・リシリリンドウなど好雪・好湿性の植物が多く,東斜面は乾燥し,ガレ地が多いことから,キクバクワガタ・リシリヒナゲシなどがみられる。南斜面にチシマザクラの大群落があり,昭和43年道天然記念物に指定された。一般登山道があり1日で往復できる。山頂からはサハリン・大雪連峰も遠望できる。郷土の詩人時雨音羽は,この山を霊峰と称した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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