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烏帽子岳
【えぼしだけ】


上北郡野辺地町西方にある山。標高719.6m。東津軽郡平内(ひらない)町,上北郡東北町との3自治体の境界をなす。山麓一帯の森林はヒノキアスナロを中心に伐採されているが,南西山腹から上は,ブナ林を主とする森林が残り,頂上付近の一部にはダケカンバの生育も観察される。山頂付近の東斜面と南斜面には急崖が見られ,コケモモやイワナシなどが生育し,亜高山的な植生を呈する。また,津軽半島の一部や下北半島の一部で観察される山頂の矮小化したヒノキアスナロの生育は,本種の分布の上から注目される。明治初期の「国誌」に「本村の西六里十二丁にあり,麓より頂まて一里山頂屹立して状烏帽子の如し」とあり,山名の由来は形状から出たことをうかがわせる。また,江戸期の領有境界争論のうえひき起こされた檜山騒動で知られる。山上には,昭和45年から同46年にかけて各種の無線中継局が設置され,アンテナが林立する。このため,物資輸送用の自動車道が頂上まで達し,車で登頂できる山となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010136