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大畑川
【おおはたがわ】


下北郡大畑町を流れる川。2級河川。流路延長31.6km・流域面積169km(^2)。下北半島で最長の川。下北山地の荒沢山(671.6m)・石山(504.2m)付近に源を発し,上狄(かみえぞ)川・仁部沢・太兵衛川・弥一郎沢・三太郎沢・湯ノ又川・うぐい滝川・釜沢・小目名沢など多くの支流を集め,ほぼ東流し,大畑町大畑で津軽海峡に注ぐ。河口から約11~13kmさかのぼった中流域は大滝・うぐい滝・糸魚淵(いとうぶち)・屏風岩・甌穴などがみられる薬研渓流4kmを形成する。薬研には単純泉が湧出し,さらに2km上流には奥薬研温泉(湯ノ股温泉とも称す)がある。ヒバ・ブナ・カエデに包まれ,滝・淵・岩などの渓谷美をみせ,特に新緑や紅葉の頃は美しく,また渓流にはヤマメ・イワナ・アユも生息し釣り人も多く訪れる。昭和43年7月,一帯は霊場恐山・尻屋崎・仏ケ浦の奇勝などとともに下北半島国定公園に指定されている。河口から約22km上流の太兵衛川との合流点には高さ11mの赤滝があり,その上流域にはサクラマスの陸封型でヤマモの一種のスギノコが生息する。下流部は当川の堆積物による沖積平野が形成され,水田地帯をなす。河口近くには河川改修のため取り残された河跡湖の三日月湖がみられる。河口には大畑漁港がある。昭和45年大畑町から佐井村に通ずる林道,愛称あすなろライン46.5kmが開通した。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010234