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蕪島
【かぶしま】


八戸市鮫町の北東方に延びる海岸線の沖合い150mにある島。周囲800m,標高19m。輝緑凝灰岩類からなる。昭和19年まで沖合いに浮かぶ島であったが,海軍の軍用基地建設のため陸地との間が埋め立てられて陸続きになった。島陰は,江戸期以前から東北地方太平洋側北部の掟泊地として知られていた。島名は,島に自生するノラナタネを地元でカブノハナと呼ぶのに由来する。頂上には市杵島姫命を祭神とする厳島神社があり,漁民の信仰を集めている。島には3~4万羽のウミネコが生息し,大正11年3月8日,蕪島ウミネコ繁殖地として国天然記念物に指定された。人口密集地に接してこれほどの大群が生息・繁殖するのは珍しく,八戸の観光名所の1つになっている。毎年2月頃に飛来し,4月下旬~6月に産卵,8月に島を去るが,ここで越冬するものも多い。特異な鳴き声で,100m(^2)当たり80~90の巣に群がる様子は壮観である。国名勝の種差海岸,種差海岸階上岳県立自然公園の範囲にも含まれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010500