100辞書・辞典一括検索

JLogos

11

桑畑山
【くわはたやま】


下北郡東通村にある山。標高400m。本州最涯地尻屋崎から南南西5kmに位置し,丘陵台地状を呈す。北東部は太平洋・津軽海峡に面して数段の海成段丘が発達する。その段上の侵食平坦面は400~270mで,その中心に位置し,中生代ジュラ紀の基盤を切って形成された隆起準平原の残りで,その平坦面上のモナドノック(残丘)とされている。石灰岩からなり,ドリーネ・カレンフィルドなどの地形がみられる。北斜面に鍾乳洞もあったが現在は崩壊して存在しない。付近には縄文早期の貝殻文・沈線文土器(物見台式土器)と剥片石器が出土する物見台遺跡,石器・石鏃が出土する,念仏間遺跡があり,札地遺跡にはストーンサークル(環状列石あるいは環状石籬)がある。山頂にはハクサンチドリ・ガンコウランなどの高山性植物が,石灰岩露頭部にはイチョウシダ・クモノスシダ・イワウサギシダ・チャセンシダなどのシダ類がみられる。本県では数少ない石灰岩植物を産し,またキバナハタザオが分布する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7010803