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五月女萢原
【そとめやちがら】


早乙女平(さおとめたい)ともいう。北津軽郡市浦(しうら)村西部,十三湖の水戸口(みとぐち)の北に広がる砂丘地。主要地方道鰺ケ沢蟹田線と日本海に挟まれた幅500m・長さ3kmの地域で,クロマツの植林で覆われている。津軽国定公園に属する。寛政8年,菅江真澄は「外浜奇勝」で「早乙女多比といふひろ野の水海のへたにあるに,そのさをとめてふ花の真盛なるは,紫のむしろを一里ばかりしきたらんように,日かげまばゆくたゝずみ見やり」と記している。明治2年人夫1万5,000人によって,五月女萢原の東側沿いに,幅15間ほどの水路を開削し,磯松(市浦村)の南端に十三湖水戸口の新設工事が行われたが失敗した(津軽平野開拓史)。「西津軽郡史」によれば,この工事の目的は,岩木川下流の排水改善とともに,明治2年の飢饉に対する救済にあったという。この水路は長谷川溝と呼ばれ,今日もその跡をとどめている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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