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高瀬川
【たかせがわ】


高瀬川水系の幹川。1級河川。流路延長63.7km・流域面積866.9km(^2)。行政上の水系では,上北郡七戸町の西端,八幡岳付近から東流して和田ダムを経て,上北町に入り天間林村との境界付近を流れて小川原湖に注ぐ。さらに湖北端から六ケ所村と三沢市の境をなしつつ平沼漁港のある太平洋岸に至る。途中,上流部から作田川・大林川・川去川・坪川など数川を合わせる。源流部から湖に注ぐ主流部は特に七戸川の通称で親しまれている。また,湖北端から,平沼漁港へ抜ける流路とは別に,三沢市内を東へ直流する高瀬川放水路がある。上流域の七戸町は,開析扇状地末端を利用した城下町で,古くは南朝方南部の一中心。九戸氏の乱に加わり,七戸氏断絶後代官所が設けられた。周辺は馬産地で,奥羽種畜牧場(農水省)や絵馬にまつわる寺・堂がある。平沼漁港に注ぐ河口付近の三沢市側に米軍天ケ森対地射爆場,六ケ所側は干潟で,シギ・チドリ類が春秋に多数飛来する。全長約3kmで,干満の差により,海水が小川原湖へ逆流するので,海水系・汽水系・淡水系魚類が生息し,釣り場として有名。河口付近は砂丘のため,台風などで砂が移動し,排水不能になることがあり,湖岸低地帯の水田や住民に被害を与えてきたが,昭和43年に高瀬川放水路を設けて解消した。また,小川原湖淡水化事業が計画されており,高瀬川に河口堰を設置する構想が建設省で検討されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011577