100辞書・辞典一括検索

JLogos

9

高館段丘
【たかだてだんきゅう】


八戸市高館付近の標高約40mの平坦面を模式地とする段丘。本県東部海岸および五戸川・相坂川など河谷に沿って,天狗岱段丘を取り巻くように発達し,南関東の下末吉段丘に対比される。現在のところ第四紀氷河時代のリス・ウルム間氷期(今から15~17万年前)の高海面期に形成されたものと考えられている。段丘面はきわめて平坦で,模式地では水平に近い。面はよく保存され,外縁の肩の部分も明瞭である。また,天狗岱段丘との間にも明瞭な段丘崖が存在する。段丘面の高度は馬淵(まべち)川河口付近で約30m,河谷沿いに上流方向へ高まり,三戸郡三戸町城山付近では約120mに達する。海岸沿いでは北方へ次第に低下し,小川原湖南岸付近で20~30m,野辺地湾南岸では15m以下となる。当段丘は十和田カルデラから噴出した高館火山灰(ローム),八戸火山灰(1万3,000年前),および完新世火山灰に覆われる。段丘構成層は一般に貧弱であるが,模式地では厚さ5~6mの礫質砂層が発達する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011583