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土淵川
【つちぶちがわ】


弘前市を流れる川。岩木川の支川。1級河川。流路延長14.7km・流域面積49.7km(^2)。弘前市南部の久渡寺(くどじ)山付近を水源とし,ほぼ北流し市街地を抜け撫牛子(ないじようし)付近で平川に合流し,岩木川に注ぐ。市街地を流れるため洪水になると大きな被害を与える。「弘前市史」の明治以降弘前災害年表によると「明治29年大雨(7月21日)県下に大雨あり,土淵川大氾濫,徒町川端町一帯床上浸水四尺」「昭和10年豪雨(8月21~24日)測候所開設以来の大雨,23日平川鉄橋流失・大鰐全町浸水大被害,死者行方不明25,弘前床上浸水73,床下浸水369(土淵川流域),田畑リンゴの損害甚大」「昭和33年豪雨(9月17~18日)台風21号の影響により,土淵川はじめ弘前東部地区各河川氾濫再び大被害を受く,土淵川は唐金橋外4橋流失」とある。近年では昭和50年8月と同52年8月に連続して大きな被害がでている。このため現在は改修工事により,両岸はコンクリートブロックで高い堤防が築かれ,両側に河川管理道が造られている。また,昔はメノウの産地として知られていた。「国誌」に「土淵川 源を小沢の山陰に発し早稲沢岩落沢等を併せ他数十の渓水奔奏し坂本村に至て九渡寺川東より来り注き山間を屈曲し本村の北にて後沢を得て富田村の界に入る末は弘前の市間を経堅田撫牛子大久保等を過て平川に入る長凡二里余幅五間水の深五寸此川筋何れにか珠玉を産せる砕缺として拾得るもの甚賞愛せり蓋し石英にして水晶珠玉の類に非す」とある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011814