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椿山
【つばきやま】


椿崎ともいう。西津軽群深浦町にある名勝。津軽国定公園内にあり,舮作(へなし)崎の南方約2kmに位置する。古くは島であったが地盤の隆起により陸繋島となったといわれる。山の南側にヤブツバキの群落が見えることで古くから有名。昔は全山がヤブツバキで覆われ,開花期の頃は沖を行く船の目印となったが,文久年間の山火事により,南側だけにヤブツバキが残ったといわれる(深浦町史)。寛政8年この地を訪れた菅江真澄は「外浜奇勝」の中で,男鹿半島から海を渡って来た多くの鹿に椿の木をすっかり食い荒らされてしまい,今は芽生えの若木ばかり多い,と記している。また椿山を「いそ山に春は咲てふたま椿かかるやなみの光なるなん」と詠んでいる。嘉永3年松浦武四郎は「東奥沿海日誌」で「長崎と云る岬を越て,暫にして椿山辺椿の多き山有。此山ニ椿の明神と云ものを祭る由。余は此岬を一度ハ廻り度覚へけ共,二度共に本通りを越て此岬丈は見越せり。今ニ至て残念なり」と記している。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011830