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天狗岱段丘
【てんぐたいだんきゅう】


八戸市北西部の天狗岱(天久岱)付近の平坦面を模式地とする段丘。本県東部に海岸段丘として広く発達し,また,馬淵(まべち)川下流南岸では蒼前平段丘に相当する九戸段丘の外縁にこれを取り巻く河岸段丘として発達する。八戸平原地域では白銀平段丘(高位)・野場段丘(低位)が,岩手県北東部では白前段丘が当段丘に対比される。面の高度は模式地付近では約65m,西方へ次第に高まり,脊梁山地に続く丘陵地に接する付近では140~150mに達する。段丘面の傾斜はきわめて小さい。この段丘は多数の河谷に刻まれ,低位の諸段丘に比べて面の保存は貧弱である。段丘構成層は欠くところもあるが,模式地付近では厚さ約10mの砂鉄質砂礫層が発達する。この砂鉄はかつて東北砂鉄鋼業によって採掘されたこともある。当地域には主に十和田カルデラを起源とする火山灰層群(ローム)が分布しているが,この段丘はそのすべての火山灰に覆われ,関東地方の多摩丘陵に相当する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011870