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斗南ケ丘
【となみがおか】


むつ市最花(さいばな)地区にある丘陵地。下北半島頸部の中央低地帯東部に位置する台地の南部。北と西を田名部川・新田辺川,東をその支流青平川に囲まれる。標高20~30mで,南西の陸奥湾に向って傾斜する。基盤は新生代新第三紀の砂質凝灰岩を主とするが,表層は火山砕屑物が少なく砂礫・砂・泥などで構成される。最終氷期の海水面の低下で深く開析されたが,その後,洪積世中期の温暖期の海水面上昇によって堆積が行われ,海退によって形成されたと考えられている。丘陵西端の赤坂付近の崖端に高さ2~3mの砂丘が残り,当時の海岸をしのばせる。明治3年,この地に移封された会津藩は,北にうつるといえども「北斗以南皆帝州」の意から斗南藩と号した(下北半島史)。名はこれに由来する。藩では藩士の移住地としてここに屋敷地を造成し,居住させたが,北辺の地での開墾は困難を極め,明治4年の廃藩によって藩士の退去が相次ぎ荒廃した。昭和に入り,開拓団の入植により開発が進み,現在,斗南ケ丘酪農業協同組合の経営する411haの広大な牧野や耕地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011965