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名久井岳
【なくいだけ】


三戸郡の三戸・南部・名川の3町にまたがる山。標高615.4m。山谷から南部の小富士とも称される。一見,火山のようにみえるが,新生代新第三紀の海成砕屑岩類・海底火山砕屑岩類の累層とこれらを貫く安山岩脈が褶曲隆起し,背斜部が残されたものである。東麓を活断層と推定される折爪断層の延長部が走り,当山の隆起にはこの断層の活動が関係あるものと思われる。山塊とその周辺地域に分布する地層は第三紀化石を豊富に含み,東北地方太平洋側新第三系の模式地の1つとなっている。ここはかつての山岳宗教の霊場で,東麓には曹洞宗白花山法光寺,北西山麓に真言宗恵光院,西側中腹に月山社などがある。頂上からの眺望が良く,また,法光寺から西麓の三戸町泉山を結ぶ樹海ラインが頂上の南方800mを通り,交通の便がよいため,四季を通じて登山者でにぎわう。一帯は名久井岳県立自然公園となっている。法光寺周辺では,しばしばオリエンテーリングが催される。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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