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階上岳
【はしかみだけ】


別称鳥屋部岳・種市岳・臥牛山。三戸郡階上町と岩手県との境にある山塊。標高740.1m。種差海岸階上岳県立自然公園に属する。東西約11km・南北約5km。日本における最高位海成段丘である九戸段丘の上に突出する残丘状山塊。約1億年前,地下約5kmの深所に貫入した花崗閃緑岩が,その後隆起を続けたため被覆層が削られて現在のようななだらかな山容になった。周囲の古期岩層との境界部に小規模な接触交代鉱床が数か所あり,かつて採掘されたことがあるが,現在いずれも廃坑になっている。江戸期,岩手県側山麓の鶴飼で砂金を採取したという。山頂付近はシバ草原で,その中にヤマツツジ群落やミネヤナギ群落がみられるが,特にヤマツツジが開花する6月には見事な眺めとなる。周囲に高い山がなく四方がよく見渡せるため,八戸市および周辺の人々のハイキングコースとなっている。一般的な登山コースは北麓の西鳥屋部からのもので,そこから頂上まで徒歩90分ほどであり,8合目の大開までは自動車でも登れる。西側の中腹部と頂上東側の稜線の平坦部は牛の放牧場として利用され,テレビの中継所もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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