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燧岳
【ひうちだけ】


佐渡平(さどがたい)山とも呼ばれる。下北郡大畑町北部にある山。標高781.3m。風間浦村との境界に位置するが,山頂は大畑町に所在し,ここに1等三角点がある。那須火山帯に属し,第四紀洪積世の安山岩からなる成層火山である。北は津軽海峡に面し,南は大畑川を挟んで恐山火山に相対する。西を易国間川が開析する。山頂部は平頂な円錐形であるが,中腹から山麓にかけては溶岩台地状である。東麓には大赤川・小赤川が流れ,浸食カルデラの様相を呈す。周辺には後火山作用に伴う温泉が湧出し,北東部海岸には下風呂温泉,大畑川河谷には奥薬研温泉・薬研温泉があり,下北半島の代表的な観光保養地となっている。標高600m付近まではヒノキアスナロ・ミズナラ・ブナの混生する森林であるが,これより上部はブナ林となり,部分的にダケカンバ林が見られる。山頂一帯には矮小化したブナやアカミノイヌツゲ・ミヤマナラ・ナナカマドなどが生育し,亜高山的な植生を示す。また,木本類のまばらなるところにはクマイザサやチシマザサが茂り,ところどころに小規模な湿原が見られ,ミズバショウやミズゴケ類・スゲ類が生育する。この周辺には矮小のヒノキアスナロが見られる。登頂は,易国間川支流大石沢および南麓の佐藤ケ平牧場から行う。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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