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臼木山
【うすきやま】


臼杵山とも書く。宮古市の東方に突き出た臼木半島の最高部に当たる山。標高86m。古生層に貫入した白色流紋岩からなる小山で,藩政期から留山であった。老松が生い茂り,東方の端は黒石浜・小石浜・浄土ケ浜など入江になっており,陸中海岸国立公園の中心地でもある。「うすき」はアイヌ語でシカの足跡のある所,シカの集まる猟場を意味し,また他に海岸に近い小山で山の斜面,丘の麓の意味があるともいわれる。別綴は,享保年間,田代村臼杵から移住の臼木家の私有山のためとされ,徳富蘆花の小説「寄生木」では小杉山としている。「奥々風土記」に「宮古の里の東鍬が崎村にあり,宮古湊の北面を塞く斗に,大海にさし出たる山にて,所謂屏風を立たるか如し,東南北の方,みな大海にて,唯西ノ方のみ陸地につづけり,老松多く生茂れり」とあり,古くから知られた景勝の地である。昭和3年にヨシノザクラ3,000本を植えてからサクラ山とも呼ぶようになった。山田町出身の鈴木善幸代議士の筆になる宮古湾海戦記念碑が,ゆかりの穴ケ崎台場口にたつ。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7013733