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猊鼻渓
【げいびけい】


砂鉄川が東磐井郡東山町長坂地内に形成した峡谷。北上山地の古生層である石灰岩層を節理面に沿って浸食し,約2kmにわたって高さ30~120mに及ぶ石灰岩の断崖絶壁が両岸に迫る。巨岩・奇岩が数多く見られ,凌雲岩・吐雲峰・壮夫岩などの称がある。また,巨岩の間を縫って沢が滝となって砂鉄川に流入し,鍾乳洞も多い。断崖の1つに鍾乳石によるこぶ状の岩が突出し,猊(小形のシシ)の鼻に似るところから猊鼻渓の名がついた。春のフジ・ヤマブキ・ヤマツツジをはじめ,四季の景観に富み,船を操る船頭のげいび追分の音が峡谷にこだまするのも一興をそそる。日本百景の1つにも数えられ,大正14年,国名勝となった。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7014477