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厳美渓
【げんびけい】


磐井川が一関市厳美町五串地内に形成した渓谷。一関の市街地西方約9kmに位置し,新第三紀系厳美層からなる河床を約2kmにわたって浸食し,深淵と急流のおりなす渓谷美をつくる。渓谷内には,白糸の滝に代表される大小48の滝や巨岩・奇岩がみられる。また,石英安山岩質凝灰岩層からなる部分には無数の甌穴(ポットホール地形)が見られ,岩石の起伏学の上でも川の下刻作用の過程においても貴重な資料とされる。幸田露伴の「易心後語」に「桜の樹さへ少なからず,花時の眺望如何に凄絶,美絶ならん」とあるサクラは,伊達政宗の植樹と伝える貞山桜で,ツツジとともに春を彩り,秋は紅葉と変化に富んだ自然美を形成している。栗駒国定公園の入口に当たり,平泉観光ルート上にも当たることから,観光客も多い。昭和2年9月5日,国の名勝・天然記念物の指定を受ける。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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