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駒ケ岳
【こまがだけ】


秋田駒・駒形山・駒峰・大日岳ともいう。岩手郡雫石(しずくいし)町の西部から秋田県仙北郡田沢湖町にまたがる県境の山。標高1,637m。円錐二重式火山で,最高峰女目岳・男岳(1,623m)・女岳(1,513m)などからなる火山群の総称。本来はコニーデ火山であるが,隣接する山々のため裾野は南北に発達せず,東西に長く引き,成層火山とは見分けにくい。火口は,横長根から横岳~男岳をつなぐ馬蹄型のカルデラ周壁で占められる。火口内には女岳の中央火口丘と爆発跡がみられる。火口壁の外側,男岳北方には阿弥陀池を挟んで寄生火山女目岳がそびえる。当山は南に傾いた大きい火口ができたあと,その火口内に,女岳やその他の火口丘ができた。これら新旧の形成にかなりの時間差があったため,生育する植物に著しい差がある。高山植物群落は昭和3年国天然記念物に指定された。当山にまつわる伝説に,昔この山に手長彦・足長彦の2神がいて,山麓に温泉を発見し,土地の人々を治癒させていた。この温泉を神居(カムイ)の湯と呼んでいたのが,「かめの湯」に転じ,今も国見の亀の湯となって湧出する。この慈悲深い神は天狗を率いて神馬にまたがり,女岳の馬場小路に遊んだが,その馬は白い雪毛であった。馬が死んだ後,山上に祠を建て神として祀ったと伝える。山名は,初夏残雪の頃に山腹に奔馬の姿が現れるということにちなむ。本県側の登山口に国見温泉がある。秋田県側の山麓に田沢湖スキー場があり,登山バスが8合目まで通じている。当山の活動記録は,寛永17年・天明14年・安政3年・明治2年に爆発の記録がある。下って明治21年・38年,昭和7年それぞれ小爆発があり,同17年地震が頻発している。昭和45年8月下旬女岳の西側山腹から流動性の溶岩を噴出。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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