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玉山金山
【たまやまきんざん】


陸前高田市竹駒町にある金山。発見年代は詳らかでないが,各種の記録に残ることから古い歴史を有する金山と推定される。平泉の金色堂の建立についても,仙台藩玉山奉行松坂氏の記録に「御勅許も御座候に付,右玉山並に同郡浜田村茂倉山御金山氷上山嶺続き,東に当り大分の黄金掘出右御金山より相出候黄金を以て光堂も御建分相成候由旧記に御座候事」とある。また,藤原三代の時代,清衡が宋朝に金10万5,000両を贈り,一切経を受領し,また年々黄金4貫目を朝貢して堂上人を羨望せしめ,その他東大寺へ巨額の金額を寄贈したという。さらに豊臣秀吉は当山を直轄して秀衡の2字を刻した玉山の印鑑を下付して,これを使用させており,往年の隆盛の状況を推察できる。仙台藩伊達綱宗に至る3代の豪華は有名であるが,支倉常長一行の渡欧に要する費用はすべて当山の産金によるといわれる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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