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遠胆沢
【とおいさわ】


旧国名:陸奥

(古代)平安期に見える広域地名。鎮守府胆沢城所在の胆沢を辺境の基地と考え,そこから先は「奥の胆沢」の意味で呼んだ汎称。「類聚国史」弘仁5年2月10日条には「夷第一等遠胆沢公母志」,「三代実録」元慶4年11月3日条には「遠胆沢公秋雄」の人名がある。蝦夷族長の名のる君公姓名は,ほとんどその君公として統治に当たる地名からきている。したがって「遠胆沢」というのは,胆沢以遠の一定区域の広域地名とみなしてよい。遠胆沢の名で具体的に指称されたのは,和賀・稗貫(ひえぬき)・斯波(しわ)方面であったと考えられる。花巻市で,西方から流れてきて北上川に注ぐ川を豊沢川とするのは「遠胆沢川」のなまりではないかと考えられ,この傍証の1つとすることができる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7015432