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竜泉洞
【りゅうせんどう】


下閉伊(しもへい)郡岩泉町岩泉にある鍾乳洞。日本三大鍾乳洞の1つ。昭和13年12月14日,「岩泉湧窟およびコウモリ」の名称で国の天然記念物に指定。洞穴は北部北上山地,中生代ジュラ紀の安家石灰岩中に発達し,総延長1,700m余,亀岩支洞・コウモリ穴支洞など多くの支洞が発達する。洞口は,岩泉町の中心街北方にそびえる宇霊羅山(625m)の東麓に開口し,豊富な地下水が清水川に注いでいる。洞奥には,第1~4地底湖が発達し,深度は第3地底湖が-120m余,日本最大・最深の地底湖。鍾乳石・石筍・フローストーンは主洞より支洞で良好に発達する。昭和42年には,対岸に竜泉新洞(総延長約500m)が発見され,岩泉町と日本洞穴学研究所によって学術観光洞として一般公開された。竜泉洞・竜泉新洞洞口部はいずれも縄文時代の遺物包含層が発達し,その上をフローストーン・石筍がカバーする。竜泉新洞では,縄文草創期文化層直上にフローストーンと石筍が乗り,フローストーン形成期を解明する点で重要な学術資料となった。竜泉洞入口付近は,町営竜泉洞事務所とともに遊園地・食堂・ホテルが並び,年間50万人を超す観光客が訪れる。昭和58年には,洞口北,約200m地点に出口が設けられ,町営の観光開発が進んでいる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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