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児捨川
【こすてがわ】


白石(しろいし)市北部を流れる川名。長袋(ながぶくろ)・深谷両地区の境界をなす。水源は八宮地区の屏風岳の麓の「いたなめ」付近で,上流部は垂清(たるきよ)川と呼び湯川を合わせ,南下して腰廻(こしめぐり)屋敷付近から児捨川となる。三住合流点から深谷地区の青木前で白石川に合流するまでの流長約6km,流域面積2万8,000m(^2)余である。川名についてはいくつかの伝説がある。日本武尊東征の時,当地で召幸し懐妊した万納長者の娘を連れ帰ろうとしたが,両親が別れを悲しむのでそのままにして都に帰った。そののち都からの便りがないので娘は悲しみのあまり子を抱いて川に身を投じたところ,たちまち2羽の白鳥と化し南の空高く飛び去った。それで里人はこの川を児捨川と名づけたという。また別の伝説は安倍頼時の子,白鳥八郎則任は前九年の役に囚れの身となり,京師に連れて行かれる途中刈田(かつた)郡に至った時,その妻が子を抱いてこの川に入水して死んだのでそう名づけたともいう。江戸期白石川との合流点付近から,川に沿って鎌先(かまさき)温泉に至る川原子(かわらご)道が通っていた。日影(ひかげ)堰・大岩堰などはこの川の水を利用したもので八宮・長袋地区の灌漑用水として利用されている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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