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三迫川
【さんのはさまかわ】


「さんのはざまがわ」ともいう。栗駒(くりこま)山に源を発し栗原郡栗駒町北部,同郡金成(かんなり)町を東流し,同郡若柳町大林で迫川に合流する川名。流路約86kmの迫川は,南より各丘陵をはさんで一迫(いちはさま)川・二迫(にのはさま)川・三迫川に分かれており,三迫川は一番北の迫を流れる。迫とは迫間,または狭間の意で,山と山の間にはさまれた狭い土地の意味。栗駒山麓の谷あいを流れ出ていることからこの名が出ている。流域は古の黒岩口(吾妻鏡,文治5年8月7日条)といわれる岩ケ崎をはじめ,古来交通の要衝として開けた所。水田も河岸段丘ならびに氾濫平野が早くから開発され,三迫川より堰上げする馬場堰・軽辺堰をはじめ多くの用水路が建設された。しかし他方で,特に下流域では洪水の被害も大きく,治水が永年の問題となってきた。藩政期には築堤などの土木工事が行われたが,昭和36年北上川総合開発の一環として上流に多目的ダムの栗駒ダムが建設され,洪水調節・用水補給が可能となり,下流域に金成耕土を成立させている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7017852