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鹿落坂
【ししおちざか】


仙台市にあり,経ケ峰(瑞鳳殿の所在地)東麓を広瀬川沿いに向山へ登る坂名。「仙台鹿の子」に「鹿落坂は越路観音下の坂なり,古よりの細街道にてある故,此坂口より鹿ども里へ下り出る故,鹿下り坂といえるを,今世俗はししおち坂というなり,此処は昔の東(あずま)街道にて,此道の外仙台西南の山より出入の路なし,今は坂崩れ別になるなり」とある。仙台地方の訛言では,おりることを「おちる」という。名取郡根岸村にあるが,霊廟(仙台藩主1~3代)が西方にあるところから仙台城下内に扱われている(封内風土記)。当坂上の西側には越路観音堂がある。万治2年に経ケ峰から移転したという(仙台市史)。明治5年4月第1大区小5区に鹿落坂通の名が見え,大正末年頃まで細い崖崩れの難所の坂だったというが,昭和8年に改修し勾配緩和拡幅以来,通行も繁くなり,現在はバスをはじめ車の往来が激しい。坂の西側に料亭・わかし湯温泉がある。坂上一帯は眺望がよく,老梅が多いので,梅ケ森とも呼ばれている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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